煩雑なケーブリングで生じる様々な問題
計画的なケーブリングを行わず、サーバールームのLAN配線がぐちゃぐちゃになってしまった場合、どんな問題が発生しシステムに影響を及ぼすのでしょうか。想定されるトラブルは下記の通りです。
- 1.作業性の低下
- ① パッチパネルのポートが、上から簾のように垂れてきたケーブルで覆われて作業しづらい。
- ② 高密度化しようと、高密度タイプのパネルを使ったが混雑しすぎて作業性が悪くなった。
- ③ 大型のネットワークスイッチを導入したところ、ケーブルが溢れてドアが閉まらなくなった。
- ④ パッチパネルのポートが密集していて、ケーブルを抜くのが困難。
- ⑤ ラック間を適当に配線していたら、どこに何がつながっているか解らなくなってしまった。
- ⑥ ケーブルラックを架上につけたが、天井ぎりぎりで配線に利用できない状態になった。
- ⑦ LANケーブルの余長が邪魔で、ラック内がぐちゃぐちゃになってしまった。
- 2.物理的な破損
- ① ラック間の間仕切りの開口部で、ケーブルが傷つき断線してしまった。
- ② 行き先表示を付けたが、裏になってしまい見えにくく、無理にねじったら断線してしまった。
- ③ 机の下のケーブルがぐちゃぐちゃで、椅子で踏んでしまい断線してしまった。
- ④ ファイバーコードをケーブルラックに配線したら折れてしまった。
- ⑤ パッチパネルを長期間使用していたら、何かの拍子に背面側ケーブルにストレスがかかり、成端部に障害発生。
- 3.セキュリティの低下
- ① パッチ作業で、ポートを間違えてしまった。
- ② 増設後に機器電源を入れたらブレーカーが落ちてラック内のサーバー全部がダウンした。
- ③ 第三者が勝手にLANポートを利用してしまい、ネットワークへ侵入されてしまった。
- ④ 間違えて工場ライン制御用のネットワークに接続してしまった。
- 4.施工効率の低下
- ① 隣のラックで障害対応作業をしていた為、作業が終わるまで待たされ配線工事ができなかった。
- ② 現場で配線工事に時間がかかり、サービス提供が遅れてしまった。
- 5.熱問題の発生
- ① ラックのケーブル開口から冷気が漏れ、空調効率が下がった。
- ② サーバー機器を搭載していない部分から、排熱がフロントに回ってきて温度が上昇しサーバーがダウンした。
- ③ ToRスイッチが熱でダウンした。
- ④ 大型スイッチの排熱がフロントに回り込み、効率的な排熱ができず温度が上昇しスイッチがダウンした。
- ⑤ サーバー密度をあげたら、背面のケーブルが煩雑になり効率的な排熱ができず、サーバーの温度が上昇しダウンした。
LAN配線がぐちゃぐちゃになると、取り扱いが困難になることに加え、作業性やセキュリティレベルの低下、物理的破損や熱の問題にまで発展し最終的にはサーバーダウンに繋がります。計画的なケーブリングは非常に大事です。