番外編 10GでLAN配線① 「10GBase-TとLANケーブル」
最近このHPを見てくれている人から(あんまり更新がなくてスミマセン)、10Gを導入しようと思っていて、いろいろ調べてるんだけど、CAT6A以外にもCAT6○(?)とかCAT7とか、ケーブルにもいろいろ種類があるみたいで、実際にどれがいいの? って聞かれました。
そこで、緊急企画!!
10GでのLAN配線について、個人的な見解を書いてみたいと思います。
「ケーブリング問題2013」の連載途中ですが、緊急企画になってしまいました。
「ケーブリング問題2013」は続きますので読んでくださっている方はお楽しみにお待ちください。
で、「10GBase-T」 知っている人は知っているし、知らない人はなんのこっちゃって感じですよね。 10GBase-Tが普及すると、その10倍の10Gで通信できるようになるのです。
そんなに急ぐ必要があるのかは不明ですが、そんな時代がそこまで迫っているというのは確かなようです。。。。
データセンターやマシンルームだけでなく、新規に作られているオフィスでも、すでに昨年あたりから10Gに対応したLAN配線の導入が始まっているのです。
この10Gに対応するためには、今使っているCAT5eやCAT6のケーブル(一部除く)では対応ができなくなるのです。
CAT6Aケーブルという新しいLANケーブルが必要になってしまうのです。
上で書いたように、いろいろな名称で商品が流通していたりしますが、一般的な通信ケーブルで考えた場合「CAT6A」にしておけば、まず間違いはありません。マチガイナイ!!!!
さて、日本ではCAT6が登場してから随分たつのですが、いまだにCAT5eが全体の 60% くらいの割合で利用されているようです。
(街の声) 「CAT6? いらないっしょ。 だってCAT5eでも問題ないじゃん」
ということで、これまではOKだったのです。ハイ
このままCAT5eでいければいいのですが、10Gになると無理なようです。これからLANの配線をする場合は、今後どれくらいの期間使い続けるかを考慮して、このまま1Gで行くのか、10Gへの対応をするのかを考える必要が出てきたようです。
今年になって、10Gのダウンリンクのポート(2次側ってことです)を標準実装したスイッチが、各メーカーからリーズナブルな価格でどんどん出てきています。
またサーバーのオンボードのLANポートも近々10Gに切り替わりそうです。そうなってくると、1Gしか通せないネットワークって、、、
さてさて、ここでCAT6A ケーブルって今までのものと何か違うの? と、いう疑問が出てきます。
まぁ、10G に対応するために必要っていうのだから、性能? とか違うんでしょ、って思いますよね。
正解!! です。
それだけではないのですが、性能が違うんですね。
じゃ~実際には、使っているCat5eケーブル をCAT6Aに取り変えればいいだけなの?
基本的には取りかえればいいのですが、この新しいケーブルには、CAT5e や CAT6 ケーブルの時には気にしなくても良かった選択が必要なのです。
それは、シールドタイプとアンシールドタイプのどちらを選ぶか、です。
これは10GでLANを使うときに避けて通れない、ノイズの問題を考えなければいけないからです。
続きは改めて。次はCAT6Aとノイズ対策について書きます。
乞うご期待!
第3回 証拠は出そろった!?
第3回 証拠はそろった!?
ケーブルがグチャグチャになっていく原因には、人的要因と部材的要因があることがわかってきたかと思います。
それでは、適切な長さできれいに配線しようとすればきれいになるのでしょうか?
例えば、ポッチャリ君とおじさんに
「できるだけきれいに配線してね」
と言って同じ作業をしてもらったら同じ仕上がりになるのでしょうか?
実はそうではないことは皆さんも容易に想像できるかと思います。
ポッチャリ君の「結構頑張ってきれいにしたよ」と、おじさんの「このくらい片付いてればいいか」でさえ、おじさんのほうがきれいな状態だと想像できます。
なぜそのようなことが起こるのかと言うと、どのくらいの状態が「きれい」なのかの判断基準に違いがあるからです。
やる気があっても、美的センスが低いかもしれないポッチャリ君の場合、「これで十分」が怪しかったりするのです。
これは、第1回で書いた「人災」とは少し異なり、「きれいにできた!」つもりでも、ほかの人からは「きれいに見えない」という「きれいの基準」が曖昧なことが原因で起こるのです。
個人個人の「美的センス」(判断基準)に頼ることは、結果として品質のムラを招いてしまうのです。
つまり、ケーブリングがグチャグチャにならないように継続的に運用するために、先ずはケーブリングの出来栄えに最低限のハードルを設けることが必要なのです。 ← 先ずはここからです!
ただしハードルを極端に高くしてしまうと、それだけ効率が下がったりコストがかかってしまったりします。
日々の運用負担が大きく上がることは、結果的にハードル自体が形骸化してしまう原因にもなりかねないので「必要最低限のハードル」くらいで考えることが継続的な運用をするためのコツになります。
ここで、ハードルと言いましたが、「見栄えとしてのハードル」ってイマイチぴんとこないですよね。
例えば「ラックに向かって右側にはファイバーケーブルを配線します」 ← これは、ルールですね
ここで最低限のハードルと言ったのは、そこではなく「ケーブルを敷設するなら、撚りはきちんと戻して配線しようね」です。
「配線ダクトがついてるのに、それを使わないでショートカットするようなまねはしないでね」とか、ルールを守る以前の基本的な配線マナーやモラルのことを言っています。
これがないと、どんなにルール通りの運用を行ってもグチャグチャになってしまうのです。
世の中も、みんなマナーが良くて周りに新設な人ばかりであれば「ルール」は少なくてすみますよね。
人的要因、部材的要因、そして判断基準(マナー、モラル、価値観の標準化)
今まで出てきた、これらの要因をきちんとクリアにすることで、初めてこれから考えていく「対策」や「ルール」が生きてきます。
さて、次回からどうしたらきれいな状態を継続的に維持できるかについて、考えてみたいと思います。
つづく
ケーブリング問題2013 第2回 災害発生の予感・・・・
第2回 「 災害発生の予感・・・・ 」
前回、原因の一つが人災だということがハッキリとしてしまいましたね。
まぁ、ちょっと大げさかもしれませんが、きれいにする意志が全くない人が作業をすると煩雑になる可能性が大きくなることは間違いありません。
ケーブルは、一度通信を始めると抜き差しがなかなかできなくなってしまうので、たとえば「時間がないので後できれいにすればいいから、とりあえずつなげておこう」とよく聞く言葉ですが、実はこれ 崩壊を招く呪いの呪文 かもしれません。
きれいにしようと思っても、後の祭りにならないようにケーブル敷設やパッチ作業の際は最初からきれいに配線するように心がることが必要なのです。 ← これ大事です
ちなみに、ポッチャリ君(前回参照)曰く、
「これでも、なるべく平たくしてあるんだよ。 どこがグチャグチャなんだ!!」と、言っていました。
困ったものです。。。 ハァ・・・・・
それでは次に、
「(ポッチャリ君と違って)本当にわたしはきれい好きです。 でも、きれいになかなかならないの!!!」
と言うあなた。
なんできれいにならないのか、人災 以外の理由を探ってみましょう。
この写真の主はポッチャリ君の隣に座っている、いつもきれいに机の上が片付いている整理整頓が得意なおじさん宅のDSUやルーター周りの背面写真を公開します。
ひどいことになってますね。 私の家もこんな感じなんですけどね・・・・・・・
さて、この写真にグチャグチャになる原因のヒントが隠されています。
そうなのです。 ケーブルが長いのです。 長いから、丸めて押し込んでいるのです。
この長さをどうやって調整するか、データセンターやマシンルームのラック内の場合にはどうすればいいのか。
それこそが、配線をきれいにするための糸口になるのです。
これは実際のラック内で起こってしまった、災害(の予兆?)です。
なぜこうなってしまうのでしょう。
まず、UTPやファイバーケーブルが使われていますが、余長を丸めてぶら下げています。
勝手な想像ですが、UTPやファイバーをつないだ人は、きちんと丸めてまとめることで整理されている状態にした(つもりになっている)のかと思っています。(すごい上から目線ですが)
電源ケーブルに至っては、よりを戻そうという努力すら見えないところもありますね。
このまま行くと、背面からメンテナンスが必要になった場合や電源を抜きたいときにどのケーブルがどこに繋がっているのか判らなくなったり、作業中に落としてはいけない機器の電源ケーブルに触ってしまいサーバーの電源を落としてしまうことが起きる可能性が出てきます。
つまり 災害発生ですね。。。。。
ケーブルをグチャグチャにしない方法、それは
1. きれいに配線しようと思う事
2. 適切な長さのケーブルを必ず使う事
だんだんわかり始めてきたのではないでしょうか。
しかし、これだけでいいのでしょうか?
次回は、ほかの要因についても少し考えてみたいと思います。(つづく)
ケーブリング問題2013
日々、ケーブルに立ち向かうあなたに贈る、
ケーブル問題 2013 目の前にある危機(機器)にどう立ち向かうか
と題して、ブログ形式で、日本の全てのIT機器がいつも健全に稼働できるように祈りながら書いていきたいと思います。
グチャグチャでこんがらがって、行先不明だし、そもそも使っているかどうか分からないから撤去もできない~
または、ケーブルが邪魔で機器が見えないし、メンテしようとしてもケーブルが邪魔で機器が外せない~。てか、ケーブル邪魔でファン意味なくない?
こんな状態が、日本のあちらこちらで現実に起こっています。このように、ケーブル問題は、日々深刻さを増しています。
しかし、どこから手を付ければいいのか、根本解決をするためにはどうしたらいいのかがわからないと言う声もよく聞きます。
今回から数回にわたり(回数は未定です)、ケーブル問題の発生の原因とその解決への道を探っていきたいと思います。
今回は第1回目と言うことで、グチャグチャケーブルの最大の原因の一つを突き付けてみたいと思います。
第1回 「無意識でおこる災害 犯人はあなただ!!」
皆さんの自宅のPCの裏側は、平和ですか?
デスクトップ1台、モニター1台のシンプル構成でも、たくさんのケーブルがつながっていて、ほこりをかぶったままグチャグチャに押し込まれていませんか?
PC電源、モニター電源、モニターケーブル、LANケーブル、キーボード、マウス、スピーカー、スピーカー用アダプター
まぁ、自宅のPCの場合にはあんまり問題は起こらないですかね。
ほこりをかぶったコンセントから火事が起こらないようにだけは気を付けてくださいね。
念のため、わたしも帰ったら覗いてみます・・・・・・
下の写真は、会社のノートPCの背面につながったケーブルの写真です。
今どきのノートPCはこんなにケーブルがつながっているのですねー。
ちなみに左が私のPC、右がうちの会社の営業さん(ポッチャリ系)のPCの裏側です。
つながっているケーブルの本数は、電源、LAN、外部モニター、マウスくらいでほぼおんなじ本数ですが、見た目的にはポッチャリ君のほうがグチャグチャに見えますね。
ちなみに、私のほうは片付けたわけじゃありません。。。 ホントデス!!
ノートPCですらこんな状況だとしたら、ネットワーク機器やサーバー機器がたくさん置いてあるデータセンターだったらどうなってしまうのでしょう・・・・・おそろしぃ
おそらく、ポッチャリ君がデータセンターでケーブルを抜いたりさしたりする人なら、ひどいことになっていたかもしれません。
部屋に入ろうとしたら、蜘蛛の巣状のケーブルに絡まれてそのまま。。。ナムナム・・・なんてことに
同じ機器を同じラックに同じ台数を搭載して、同じポートに同じ本数ケーブルをつなぐ事を、別の人がすると出来上がりに差がでるのです。
そして、うちのポッチャリ君がその作業をすると、確実に蜘蛛の巣になってしまうのです。
そうなのです。ケーブルのぐちゃぐちゃ問題の原因の一つは 「人災」 なのです。
(つづく)